キャベツ王権と雑草の家来たち

宮崎 数史

2019年11月23日 22:49

植物は葉で作った栄養を、根に住む菌を通じて、隣の植物にあげている可能性がある。
様々な栄養素をやりとりしている可能性がある植物たち。宮ファームでは、根に住む菌や周りの植物とセットで出せる野菜の味わいがあると考えています。



Julie R. Deslippe et al., 2016 New Phytologist
[Stable isotope probing implicates a species of Cortinarius in carbon transfer through ectomycorrhizal fungal mycelial networks in Arctic tundra

雑草を抜かないで刈る。植物同士は、根っこを通じて栄養をやりとりしていることを示した2016年の論文をヒントに想像します。
キャベツがNo.1を取れば、残りの雑草は家来になって、キャベツのために栄養の年貢を納めるのかもしれない。税金を納めるのだろう。


キャベツが集めることが苦手な栄養素は周りの植物から貰っているかもしれない。
キャベツが取ってくるのが苦手な微量栄養素は、それを取ってくるのが得意な種類の草が土壌から集めてきてキャベツに税金として納めるのだろう。また別の種類の雑草は、別の微量栄養素を集めてきてキャベツに渡す。


もしキャベツじゃなくて雑草の1つがNo.1になれば、今度はキャベツがそのご主人様に税金を納める。そのご主人様が取ってくるのが苦手で、キャベツが取ってくるのが得意な微量栄養素を年貢として納めるのです。そして家来として生きることを許可される。


逆にキャベツが王様になれば雑草は家来として生きることを許可される。なぜならば、大きくなれない雑草は弱っているわけではないからです。弱っていれば虫に食べられまくるけど、この家来として生きることを許されている雑草は決して虫に食べられていない健康体。健康なのに大きくなれない。集めて来た栄養素をキャベツの王様に献上しているからだと思うのです。
そして家来として生きることを許可される。そしてキャベツが生きづらい暖かい季節になった時、逆転するのです。オソラク。
キャベツの根がまとっている微生物の家来が栄養素を集めて来る。空気中から栄養素を固定して来る。錬金術を使う。
雑草の根がまとっている家来微生物は別の菌叢なのです。別の栄養素を集めて来るのです。そのようにして野生にしか出せない味がある。それは太古の昔からの味。記憶が覚えている味。オソラク。

同じキャベツ畑で大きいキャベツと小さいキャベツがある。
小さいキャベツは肥料が不足しているわけじゃない。大きいキャベツの隣に植わっているわけだから。
肥料が不足していないのに大きくならない。その周りにどんな雑草がある?何が違う?その雑草が王様で、キャベツは自分が大きくなるために光合成で作り出した栄養分を自分で使えずに、草の王様に献上しているのではないか。土から集めて来た肥料分を王様に献上して居るのではないか。
肥料を追加することではなく、年貢を軽くしてあげることでキャベツは成長するか?そしてキャベツが王様になり、逆に草がキャベツに年貢を献上するために今度は草が大きくならない。草刈をしなくても。。
野生にしか出せない味がある。かもしれない。
理科大は理科大ブランドの野菜を出す。
https://www.tus.ac.jp/today/20180903005.pdf
宮は宮ブランドの野生野菜を出す。

科学が証明しているアタックチャンスのパネルはまだ少ないけれども、まだ空いていないパネルの裏側を、畑の観察を元に眺めれば、裏側が透けて見えると思うのです。

宮ファームです。


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