「刈った雑草を白菜の間に置いておくと、虫食いが少ない白菜が出来ている」
宮ファームの観察にデータの裏付けを探します。
①2017年 京都大学の論文
「草刈りした草が出す揮発性物質は、畑の大豆の虫食い被害を軽減し、種子中のイソフラボンを増加させる
Weeding volatiles reduce leaf and seed damage to field-grown soybeans and increase seed isoflavones」
論文より:
・雑草の匂いを嗅いだだけでは虫は弱らなかった。
・雑草の匂いを嗅いだ大豆を食べた虫は弱った。
・大豆中のイソフラボンの量が増加していた。
(虫が嫌がるイソフラボン。)
・虫による大豆の食害率が減った。
↓図はこちらから引用日本語訳に改変(宮崎)
https://www.nature.com/articles/srep41508
http://www.ecology.kyoto-u.ac.jp/~junji/research.html
この研究の雑草はアキノキリンソウのデータだけど、普通の雑草が同いことしている可能性はあると思う。宮ファームの畑を見ていると。
②2018年 東京理科大学の論文
「ミントの匂いを嗅いだ野菜は、虫防御遺伝子の発現を上げ、虫に食べられにくくなる
Pest management using mint volatiles to elicit resistance in soy: mechanism and application potential」
出展:
東京理科大学の2018の論文で示されました。
https://www.tus.ac.jp/today/20180903005.pdf
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/30156351
今までの教科書には「大豆とミントを一緒に育てると、ミントの香りを虫が嫌がり、大豆に虫が付きにくくなる」と書いてありますが、
これからの教科書には「ミントの香りを嗅いだ大豆自身が遺伝子の発現を変化させ虫に強くなる」となってくるかもしれません。
ミントは畑に直接植えると蔓延ってしまうので、鉢植えにして置くなどした方がいいかもしれませんね。
さらに書いてありした「ミントの香りに曝された栽培種では、さまざまな健康促進代謝物の生産が向上する可能性があることから、ミントを使った栽培技術により生産物に付加価値が生じる可能性も秘められている。現在、これらの栽培技術を活用した理科大ブランドのダイズやコマツナ の開発に取り組んでいる」
これらのパズルから宮ファームの野菜たちに起こっていることを想像します。
「刈った草を畑の畝間に置いておくと
刈った草から出る揮発性物質の香りを嗅いだ宮ファームの野菜たちは
虫防御遺伝子の発現を上げて虫に強い野菜に変化して虫食いが少ない野菜になる。
さ・ら・に・さまざまな健康促進代謝物の生産が向上する可能性があることから、刈った雑草を使った栽培技術により生産物に付加価値が生じる可能性も秘められている。現在、これらの栽培技術を活用した宮ファーム野菜を販売している」
栽培技術というか、刈った雑草放置ですが。